トルセンBタイプ:仕組みと特徴を解説

車を知りたい
先生、「トルセンBタイプ」って、普通のLSDと何が違うんですか?

自動車研究家
良い質問だね!トルセンBタイプもLSDの一種なんだけど、構造が大きく違うんだ。普通のLSDはクラッチを使っているのに対して、トルセンBタイプは「ヘリカルギヤ」というねじれた歯車を使っているんだよ。

車を知りたい
ヘリカルギヤ・・・? なんで、わざわざそんな構造にしているんですか?

自動車研究家
それはね、ヘリカルギヤを使うことで、よりスムーズに差動を制限できるからなんだ。トルクの変化にも素早く反応できるから、滑りやすい路面でも安定した走りを実現できるんだよ!
トルセンBタイプとは。
「トルセンBタイプ」は、ねじれ歯車であるヘリカルギヤを使った自動車の差動装置です。通常のデフの左右の歯車に相当する大きなヘリカルギヤと、中央の歯車に相当する2対の小さなヘリカルギヤで構成されています。これらの歯車の噛み合い面の摩擦や、歯車のねじれによって発生する力が、左右の駆動輪へのトルク差を制限する力を生み出します。トルク差を制限する力は、入力トルクに比例するため、トルセンAタイプと同じく、トルク感応型のLSDに分類されます。トルセンBタイプは、ウォームギヤを使っていた構造を簡略化したものだと言えます。
トルセンBタイプとは?

トルセンBタイプは、自動車の駆動力を制御する差動装置である「トルセンLSD」の一種です。トルセンLSDは、「トルクセンシング」と「セルフロッキング」を組み合わせた造語で、トルクを感知して自動的に差動を制限する機能を持ちます。
トルセンBタイプは、その中でも後輪駆動車や四輪駆動車のリアデフに多く採用されています。その構造や特徴から、滑りやすい路面での走破性向上や、スポーティーな走行性能に貢献します。
ヘリカルギヤによる差動制限

トルセンBタイプは、その名の通りヘリカルギヤを用いて差動制限を実現しています。一般的なオープンデフではベベルギヤが使われますが、トルセンBタイプはヘリカルギヤの特徴である軸方向への推力を巧みに利用しています。
具体的には、ハウジング内部で左右のドライブシャフトに接続されたサイドギヤと、これとかみ合うピニオンギヤ、そしてピニオンギヤ同士を連結するスラストワッシャで構成されます。通常走行時はこれらのギヤがスムーズに回転し、左右輪の回転差を吸収します。
しかし、片方の車輪がスリップなどで空転を始めると、回転差が生じて軸方向への推力が発生します。この力がスラストワッシャを介してピニオンギヤに伝わり、抵抗トルクを発生させるのです。この抵抗トルクが差動を制限し、グリップを失っていない車輪に駆動力を伝達します。
トルク感応式のLSD

トルセンBタイプは、トルク感応式のLSDとして知られています。これは、左右の車輪に回転差が生じた際に、その差によって発生するトルクを感知して作動する仕組みであることを意味します。トルセン式LSDは、内部に設けられた「ウォームギア」と「ヘリカルギア」の組み合わせによって、このトルク感応を実現しています。
具体的には、左右の車輪に回転差が生じると、ウォームギアとヘリカルギアの間に軸方向への力(スラスト力)が発生します。トルセンBタイプは、このスラスト力を利用して、差動制限力を発生させる構造となっています。
トルク感応式であるため、スムーズな作動が特徴であり、急な挙動変化が少なく、自然なフィーリングで運転を楽しむことができます。また、トルク差に応じて差動制限力が連続的に変化するため、高いトラクション性能と安定した走行性能を両立しています。
ウォームギヤ式との違い

トルセンBタイプとウォームギヤ式LSDの最大の違いは、内部構造と動作原理にあります。トルセンBタイプは、ヘリカルギアとクラッチの組み合わせでトルク配分を行うのに対し、ウォームギヤ式は、ウォームギヤとウォームホイールの噛み合いを利用します。
この構造の違いにより、それぞれのLSDは異なる特性を持つことになります。例えば、トルセンBタイプは、滑り始めがスムーズで、自然なフィーリングで駆動力を制御できるというメリットがあります。一方、ウォームギヤ式は、高い locking ratio を実現できるため、より強力なトラクション性能を発揮します。
どちらの方式にもメリット・デメリットがあり、車両の特性や使用用途に合わせて最適なLSDが選択されます。
メリット・デメリット

トルセンBタイプは、その特性からいくつかのメリットとデメリットを持っています。
メリットとしては、まず高いトラクション性能が挙げられます。前輪と後輪のトルク配分を自動的に制御することで、滑りやすい路面でも安定した走行を可能にします。また、機械的な構造であるため、電子制御式LSDと比べて反応速度が速いという点も魅力です。これは、路面状況の変化に瞬時に対応できることを意味し、スポーティな走りを楽しむドライバーにとって大きなメリットと言えるでしょう。
一方、デメリットとしては、構造が複雑で製造コストが高い点が挙げられます。そのため、一部の高級車やスポーツカーにしか搭載されていません。また、トルク配分の制御範囲がトルセンAタイプに比べて狭いという点もデメリットと言えるかもしれません。極限的な状況下では、トルセンAタイプのようなダイナミックなトルク配分は期待できません。
