設計に関する用語 クルマづくりの裏側:開発試験車の重要性
私たちが普段目にする、スタイリッシュで快適なクルマたち。その裏側には、実は想像を絶するような長い開発期間と、数えきれないほどの試行錯誤が隠されています。そして、その過程で中心的な役割を担うのが「開発試験車」です。
開発試験車とは、簡単に言えば、新しいクルマを開発する過程で製作される試作車のことです。まだデザインも性能も未完成な段階から、改良に改良を重ねて製品化へと近づいていく、言わばクルマづくりの過程そのものを体現した存在と言えるでしょう。
開発試験車は、大きく分けて走行性能や耐久性をテストするためのものと、デザインや機能性を評価するためのものの2つに分けられます。いずれも、実際に人が運転して使用感を確かめたり、時には過酷な環境にさらしたりすることで、設計上の問題点や改善点を洗い出すために利用されます。
つまり、開発試験車は、私たちが最終的に目にする完成車になる前の、いわば「試作品」なのです。しかし、単なる試作品ではなく、その1台1台に、エンジニアたちの飽くなき挑戦と、未来のクルマ社会への熱い想いが込められているのです。
