旧車の心臓部!2重ベンチュリーを解説

車を知りたい
先生、「2重ベンチュリー」ってどういう意味ですか?自動車のエンジンに使われているって聞いたんですけど…

自動車研究家
いい質問だね!「2重ベンチュリー」は、昔の車のエンジンでよく使われていた「キャブレーター」という部品の一部だよ。キャブレーターは、エンジンに送る空気と燃料を混ぜる役割をするんだけど、「ベンチュリー」はその中にある、空気の通り道なんだ。

車を知りたい
空気の通り道…?でも、なんで2重にする必要があるんですか?

自動車研究家
それはね、エンジンの回転数が低い時と高い時では、必要な空気の量が変わるからなんだ。2重にすることで、少ない空気量の時にも、効率よく燃料を吸い出すことができるんだよ。だから、燃費が良くなったり、スムーズにエンジンが動くようになるんだ。
2重ベンチュリーとは。
自動車用語の「2重ベンチュリー」は、固定ベンチュリー式キャブレーターで使われる仕組みです。これは、ベンチュリーの中にさらに小さいベンチュリーを設け、そこから燃料ノズルでエマルジョン状の燃料を供給する方式です。固定ベンチュリーは、空気の流れが少ない時に燃料の吸い出しが弱くなるため、2重構造にすることでこの問題に対処しています。1970年代まで多くの乗用車に搭載されていたキャブレーターには、低速と高速それぞれに適した2つのベンチュリーを持つ2連式が主流でした。
ベンチュリーとは?

ベンチュリーとは、流体力学において、管の途中を狭めることで流体の速度を上げ、圧力を下げる構造のことを指します。
これは、18世紀のイタリアの物理学者、ジョヴァンニ・バッティスタ・ベンチュリーにちなんで名付けられました。
彼の発見した原理は、ベンチュリ効果として知られており、自動車のキャブレターや飛行機の翼など、様々な分野で応用されています。
2重ベンチュリーの仕組み

2重ベンチュリは、その名の通り、ベンチュリ管と呼ばれる管が二重構造になったものです。ベンチュリ管とは、管の中央部分を狭くすることで流体の速度を上げ、圧力を下げるという、ベルヌーイの定理を応用した構造です。
2重ベンチュリの場合、メインベンチュリと呼ばれる大きなベンチュリ管の中に、サブベンチュリと呼ばれる小さなベンチュリ管が配置されています。エンジンが低回転の際には、主にサブベンチュリで強い負圧を発生させ、燃料を効率よく吸い出します。一方、高回転時にはメインベンチュリが効果を発揮し、大量の空気を取り込みます。
このように、2重ベンチュリは、低回転域から高回転域まで、幅広い回転数で効率的な燃料供給と空気の吸入を両立させることを目的とした、高度な技術なのです。
なぜ2重にするのか?

2重ベンチュリーは、その名の通りベンチュリー構造を二重に持つキャブレターの形式です。では、なぜわざわざ二重にする必要があるのでしょうか?その答えは、エンジンの出力特性をより緻密に制御するためです。
通常の単一ベンチュリーでは、エンジンの回転数や負荷の変化に対して燃料供給の微調整が難しい場面がありました。そこで、2重ベンチュリーを採用することで、低回転域では小さなベンチュリーで吸入効率を高め、高回転域では大きなベンチュリーが効果を発揮するように設計されています。
この構造により、低回転域から高回転域まで、全域にわたって安定した燃料供給とスムーズな加速を実現できることが、2重ベンチュリーの最大のメリットと言えるでしょう。
2重ベンチュリーのメリット・デメリット

2重ベンチュリーは、その名の通りベンチュリ構造を2段階に設けることで、低速域と高速域の両方で優れた性能を発揮することを目指した機構です。しかし、メリットの一方でデメリットも存在します。
まずメリットとして、低速域では、小さなベンチュリが効果的に働き、トルクが向上します。街乗りなど、ストップ&ゴーが多い状況でもスムーズな加速を実現できます。また、高速域では、大きなベンチュリが機能することで、より多くの空気をエンジンに送り込み、高回転域でのパワーアップに貢献します。
一方で、デメリットとして、構造が複雑になるため、製造コストやメンテナンスコストが高くなる点が挙げられます。また、調整がシビアで、専門的な知識や技術がないと、その性能を十分に引き出すことが難しいという側面もあります。
このように、2重ベンチュリーは、メリット・デメリットを理解した上で、自身の車の使用状況や目的に合わせて採用を検討する必要があります。
2重ベンチュリー搭載の代表的な車種

2重ベンチュリーは、主に1960年代から1970年代にかけて、高性能を誇った旧車に多く採用されていました。その独特の構造と吸気音は、当時の車好きを魅了したものです。
代表的な車種としては、まずホンダ Sシリーズが挙げられます。S500、S600、S800と続くシリーズは、いずれも2重ベンチュリーキャブレターを搭載し、小型軽量なボディながら、高回転までスムーズに吹け上がるエンジンで人気を博しました。
その他にも、トヨタ2000GTやニッサン フェアレディZ432といった、当時のスポーツカーを代表する名車にも、2重ベンチュリーキャブレターが採用されています。これらの車は、現代でも高い人気を誇り、旧車ファン垂涎の的となっています。
