乗り心地を革新する「ばね定数可変機構」

乗り心地を革新する「ばね定数可変機構」

車を知りたい

先生、この文章に出てくる『ばね定数可変機構』って、どういうものですか? 自動車のサスペンションについて調べていたら出てきた言葉なんですが、いまいち理解できなくて…

自動車研究家

なるほど。『ばね定数可変機構』は、簡単に言うと、路面状況や運転操作に応じてばねの硬さを自動的に変えられる仕組みのことだよ。例えば、デコボコ道を走る時はばねを柔らかく、高速道路を走る時はばねを硬くすることで、乗り心地や走行安定性を向上させることができるんだ。

車を知りたい

なるほど!状況に応じてばねの硬さを変えられるんですね。でも、具体的にどうやってばねの硬さを変えているんですか?

自動車研究家

説明にあるように、トラックやバスによく使われる空気ばねの場合だと、空気ばね内の空気の量や圧力を調整することでばねの硬さを変えているんだ。空気の量を変える場合は『ハイドラクティブサスペンション』という補助タンクを使う方法があるよ。

ばね定数可変機構とは。

「自動車用語の『ばね定数可変機構』とは、路面状況や走行条件に合わせて、自動またはドライバーの操作によってばねの硬さを変えられるサスペンションシステムのことです。空気ばねの場合、受圧面積をA、内圧をp、大気圧をp0、容積をV、たわみをδとすると、ばね定数kは、k=(A2γ(p+p0)÷V)+p・dA÷(dδ)と表されます(γはポリとロープ係数)。トラックやバスに用いられる空気ばねは、受圧面積Aが一定となる構造のため、式中の第二項を無視し、V(容積)またはp(内圧)を調整することでばね定数を制御します。補助タンクを設けて容積Vを変化させる構造は、ハイドラクティブサスペンションと呼ばれます。一方、内圧pは空気ばねシステムにおいて、特定の現象に対応する手段として自動的に調整されます。なお、ばね要素自体が持つ特性として変化する非線形ばねは、ばね定数可変機構には該当しません。」

ばね定数可変機構とは

ばね定数可変機構とは

自動車のサスペンションにおいて、乗り心地と操縦安定性は相反する要素として知られています。路面の凹凸を吸収して快適な乗り心地を実現するためには、柔らかいばねが有効ですが、柔らかすぎるばねは車体のふらつきを招き、安定した走行を阻害する要因となります。そこで注目されているのが「ばね定数可変機構」です。

ばね定数可変機構とは、走行状況や路面状況に応じて、サスペンションのばね定数をリアルタイムで変化させる機構のことを指します。この機構により、快適な乗り心地と優れた操縦安定性を両立させることが可能となります。例えば、高速道路の走行など、安定した走行が求められる状況ではばね定数を高く設定し、車体の揺れを抑えることで安定性を向上させます。一方、荒れた路面を走行する際には、ばね定数を低く設定することで、路面からの衝撃を効果的に吸収し、快適な乗り心地を実現します。

空気ばねの仕組みとばね定数

空気ばねの仕組みとばね定数

自動車のサスペンションには、路面からの衝撃を吸収し、車体の揺れを抑え、快適な乗り心地を実現するために、ばねが欠かせません。中でも、近年注目を集めているのが「空気ばね」です。従来の金属ばねとは異なり、空気ばねは、圧縮された空気の弾性を利用して車体を支えるという仕組みを持っています。

この空気ばね最大の特徴は、ばね定数を自在に変えられる点にあります。ばね定数とは、ばねの硬さを表す指標であり、ばね定数が低いほど、ばねは柔らかく、高いほど硬くなります。空気ばねの場合、内部の空気量を調整することで、ばね定数を容易に変化させることができます。例えば、高速走行時にはばね定数を高くして車体の安定性を高め、荒れた路面ではばね定数を低くして振動を吸収する、といったことが可能です。

ハイドラクティブサスペンション:容積制御

ハイドラクティブサスペンション:容積制御

ハイドラクティブサスペンションは、油圧シリンダーの油量を調整することで車高を制御するシステムです。この油量調整機能を利用して、ばね定数を変化させることが可能です。具体的には、シリンダー内の油量を増減させることで、サスペンションの硬さを変化させます。油量が多いほどサスペンションは硬くなり、スポーティーな走りを実現できます。逆に、油量を減らすことでサスペンションは柔らかくなり、快適な乗り心地を提供します。
このシステムは、路面状況や運転状況に合わせて、リアルタイムでばね定数を調整できるため、常に最適な乗り心地と走行安定性を両立できます。例えば、高速道路では硬めのセッティングで安定性を高め、街乗りでは柔らかめのセッティングで快適性を重視するといったことが可能です。

内圧制御によるばね定数調整

内圧制御によるばね定数調整

自動車のサスペンションには、路面の凹凸を吸収し、車体の揺れを抑え、快適な乗り心地を実現するために、ばねが欠かせません。従来のばねは、一度設定した硬さが変化しないため、様々な路面状況や走行条件に最適な乗り心地を提供するには限界がありました。

そこで近年注目されているのが、ばねの硬さを自在に変えられる「ばね定数可変機構」です。この機構の中でも、空気や油などの流体の内圧を変化させることでばね定数を調整する方式は、そのシンプルさと制御の容易さから幅広く採用されています。

具体的には、ばね内部に封入された流体の圧力を調整することで、ばねの硬さを変化させます。例えば、高速道路など路面状況が良好な場合は、内圧を高くしてばねを硬くすることで、車体の安定性を高め、スポーティーな走りを実現できます。一方、荒れた路面を走行する場合は、内圧を低くしてばねを柔らかくすることで、振動を効果的に吸収し、快適な乗り心地を確保できます。

このように、内圧制御によるばね定数可変機構は、ドライバーの好みや走行状況に合わせて、乗り心地を自在に変化させることを可能にする画期的な技術と言えるでしょう。

非線形ばねとの違い

非線形ばねとの違い

「ばね定数可変機構」と混同されがちな技術に「非線形ばね」があります。一見するとどちらもばねの硬さが変化する点では共通していますが、そのメカニズムは大きく異なります。
非線形ばねは、あらかじめ設計された形状や材質の特性によって、荷重の変化に応じてばね定数が非線形的に変化するばねです。一方、ばね定数可変機構は、外部からの制御や荷重の変化に応じて、ばね定数を機械的にまたは電気的に変化させる機構を指します。つまり、非線形ばねは受動的な変化であるのに対し、ばね定数可変機構は能動的にばね定数を制御できる点が大きな違いと言えるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました