ホンダの独自技術！変速ショックを抑える「クラッチキャンセラー機構」

ホンダの独自技術！変速ショックを抑える「クラッチキャンセラー機構」

ホンダの独自技術！変速ショックを抑える「クラッチキャンセラー機構」

車を知りたい

先生、「クラッチキャンセラー機構」って、何ですか？ホンダのAT車に搭載されている技術らしいんですけど、よく分かりません。

自動車研究家

良い質問だね！「クラッチキャンセラー機構」は、簡単に言うと、AT車の変速をスムーズにするためのホンダ独自の技術だよ。具体的には、エンジン回転数が低い時などの負荷が小さい時に、クラッチの油圧を調整して変速ショックを減らす仕組みなんだ。

車を知りたい

なるほど。でも、なんでエンジン回転数が低い時じゃないといけないんですか？

自動車研究家

それはね、エンジン回転数が低い時は、クラッチに加わる遠心力が小さくなって、油圧制御が難しくなるからなんだ。そこで「クラッチキャンセラー機構」が、遠心力の影響を受けずに、適切な油圧制御を行うことで、スムーズな変速を実現しているんだよ。

クラッチキャンセラー機構とは。

「クラッチキャンセラー機構」とは、ホンダが開発したAT（オートマチックトランスミッション）の技術です。この機構は、車が低負荷で走行している際の変速ショックを軽減するために搭載されています。クラッチの制御油圧がクラッチの回転による遠心力の影響を受けないように設計されているため、スムーズな変速を実現しています。

変速ショックって何？

車を運転していると、加速時や減速時に「ガクン」と車体が揺れるような、不快な振動を感じることがありますよね。これが変速ショックと呼ばれるものです。変速ショックは、オートマチック車特有の現象で、エンジンの回転数とタイヤの回転数がうまくかみ合わなかったときに発生します。

特に、発進時や停止直前に強く感じやすく、運転に不慣れな人にとっては不安を感じる原因の一つにもなっています。また、変速ショックが頻繁に起こると、車体への負担も大きくなり、故障の原因になる可能性も考えられます。

クラッチキャンセラー機構の仕組み

一般的なマニュアルトランスミッション車では、シフトチェンジの際にクラッチペダルを踏んでクラッチを切ることで、エンジンとトランスミッションを切り離し、スムーズな変速操作を実現しています。しかし、ホンダが開発したクラッチキャンセラー機構は、この常識を覆す革新的な技術です。

クラッチキャンセラー機構は、油圧や電子制御などを用いて、シフトチェンジの際に自動的にクラッチを切るシステムです。ドライバーはクラッチペダルを踏む必要がなく、シフトレバーを操作するだけでスムーズな変速が可能となります。

この機構の心臓部となるのが、油圧アクチュエーターと電子制御ユニットです。電子制御ユニットは、車速、エンジン回転数、アクセル開度などの情報を元に、最適なタイミングで油圧アクチュエーターを作動させます。油圧アクチュエーターは、クラッチマスターシリンダーに接続されており、電子制御ユニットからの信号に応じてクラッチを断続します。

この精巧なシステムにより、クラッチペダル操作というドライバーの負担を軽減するだけでなく、マニュアル車特有の変速ショックやエンジン回転の落ち込みを抑え、スムーズで快適なドライビングを実現しています。

従来のATとの違いとは

一般的なAT車では、変速時に油圧でギアをつなぐ際にわずかなタイムラグが発生し、それが「変速ショック」として現れます。このショックを軽減するために、トルクコンバーターという装置が用いられますが、滑らかな変速と引き換えに燃費性能が犠牲になるという側面もありました。

一方、ホンダのクラッチキャンセラー機構は、電子制御によってクラッチの断続を緻密に行うことで、タイムラグを最小限に抑え、変速ショックを大幅に低減することに成功しました。これは、従来のAT車のようにトルクコンバーターに頼ることなく、ダイレクトに動力を伝達する機構であるため、滑らかな変速と燃費性能の両立を実現している点が大きな特徴です。