自動車用語解説:コーストダウンとは?

車を知りたい
先生、「コーストダウン」ってなんですか? 車の試験と関係があるみたいなんですが…

自動車研究家
いい質問ですね! 「コーストダウン」は、簡単に言うと「車の走りやすさ」を調べる試験のことです。

車を知りたい
「車の走りやすさ」ですか? もう少し詳しく教えてください!

自動車研究家
例えば、車を時速60キロからブレーキを踏まずに走らせたとします。 その時、車が自然に止まるまでの時間や距離を測ることで、タイヤの摩擦や空気抵抗など、車にかかる抵抗を調べることができるんです。 これが「コーストダウン」試験です。
コーストダウンとは。
「コーストダウン」とは、自動車の走行抵抗を測る試験で、エンジンを切って惰性で走らせることで測定します。 特に、アメリカの排気ガス試験では、この惰行試験を「コーストダウンテスト」と呼び、シャシーダイナモという装置の負荷設定に利用されます。 具体的には、平坦な道で、準備と暖機運転が完了した車両を使い、時速60マイル(約97キロメートル)以上の速度からギアをニュートラルにして惰性走行を開始し、時速60マイルから20マイル(約32キロメートル)まで減速するのにかかる時間を計測します。 この測定には、車両に専用の計測装置を取り付ける「第5輪方式」が用いられ、計測された時間はシャシーダイナモでの試験条件の設定に役立てられます。
コーストダウン:走行抵抗を測る重要な試験

自動車の開発において、走行中の抵抗を把握することは燃費性能を向上させる上で非常に重要です。そのために欠かせない試験の一つが「コーストダウン」です。
コーストダウン試験とは、一定の速度まで車両を加速させた後、エンジンを切り、惰性で車両が停止するまでの時間や距離を計測する試験です。この時、車両の速度は空気抵抗や路面の摩擦などの抵抗によって徐々に減速していきます。
この減速の度合いを分析することで、車両にかかる抵抗力の大きさを把握することができます。得られたデータは、車両の設計や開発にフィードバックされ、より燃費性能の高い自動車の開発に役立てられています。
アメリカ排ガス試験におけるコーストダウンテスト

自動車の燃費や排ガス性能を評価する上で欠かせないのが「コーストダウンテスト」です。特にアメリカでは、このテストが重要な役割を担っています。ここでは、アメリカの排ガス試験におけるコーストダウンテストに焦点を当てて解説していきます。
アメリカでは、環境保護庁(EPA)が定める厳しい排ガス規制をクリアする必要があります。この規制をクリアするために、自動車メーカーは様々な試験を実施しますが、その中でも重要なのが「フェデラル・テスト・プロシージャ(FTP) 」と呼ばれる試験サイクルです。
FTPは、都市部や高速道路など、実際の走行状況を想定した走行パターンで構成されています。このFTPの中に、「コーストダウンモード」と呼ばれる区間が存在します。これは、一定速度から燃料供給をカットし、惰性走行で減速していく区間を指します。
このコーストダウンモードで測定されたデータは、車両の空気抵抗や路面抵抗などの走行抵抗を算出するために利用されます。走行抵抗は燃費に大きく影響を与える要素であるため、正確に測定することが重要となるのです。
アメリカでは、このコーストダウンテストの結果が、そのまま燃費表示や排ガス規制適合の可否に直結します。そのため、自動車メーカーは、コーストダウンテストで良好な結果を得るために、車両の空力性能の向上やタイヤの転がり抵抗の低減など、様々な技術開発に取り組んでいます。
具体的な試験方法:60mphからの惰行

この試験方法は、車両が持つ走行抵抗を測定する一般的な手法です。まず、車両を時速60マイル(約96.6km/h)まで加速します。そして、アクセルペダルから足を離し、エンジンブレーキやフットブレーキを使わずに、車両が自然に減速する様子を観察します。
この時、車両の速度が低下していく割合や、完全に停止するまでに走行した距離などを計測します。これらのデータは、車両の空気抵抗、タイヤの転がり抵抗、駆動系の摩擦抵抗などを評価するために利用されます。
シャシーダイナモ負荷設定への応用

シャシーダイナモは、実走行を模擬して様々な走行抵抗を再現することで、自動車の性能を測定する装置です。この走行抵抗を設定する上で、コーストダウンデータが重要な役割を果たします。コーストダウンによって得られた減速度と速度の関係は、そのまま走行抵抗と速度の関係として利用できるからです。具体的には、測定されたコーストダウンデータに基づいて、シャシーダイナモの負荷装置を制御し、実走行に近い状態を再現します。これにより、より正確な燃費測定や排出ガス測定が可能となります。
第5輪方式による正確な測定

コーストダウン試験の測定方法の一つに、「第5輪方式」と呼ばれるものがあります。この方式では、車体後部に設置した「第5輪」と呼ばれる計測専用の車輪を用いて、抵抗力を測定します。この第5輪は、路面との摩擦やタイヤの変形の影響を受けにくいため、非常に正確なデータを得ることが可能です。そのため、自動車メーカーの開発現場など、高い精度が求められる状況下で広く採用されています。
