自動車審査試験場: 車社会の安全を守る技術の聖地
車を知りたい
「自動車審査試験場」って、具体的にどんなことをする施設なのですか？
自動車研究家
「自動車審査試験場」は、簡単に言うと、新しい自動車が発売される前に、国が安全基準を満たしているかを確認するための施設だよ。正式名称は「交通安全公害研究所自動車試験場」と言うんだ。
車を知りたい
なるほど。具体的にはどんな試験をするのですか？
自動車研究家
ブレーキの性能や、事故の際の乗客の安全性、排気ガスや燃費など、様々な項目の試験が行われるんだ。例えば、衝突試験ではダミー人形を使って、乗客がどれくらい安全に守られるかを調べるんだよ。
自動車審査試験場とは。
『自動車審査試験場』とは、国土交通省が新型自動車の型式指定などを行う際に、技術的な審査を行う施設です。正式名称は『交通安全公害研究所自動車試験場』です。国土交通省が保有する唯一の走行試験路を備えた自動車試験場であり、自動車の安全性、公害防止、省エネルギー化などに関する様々な試験を実施しています。敷地面積は24万6000平方メートルにも及びます。具体的な試験項目としては、構造や装置の機能確認、諸元測定、ブレーキ性能試験、横転に対する安定性試験、ヘッドライトなどの灯火装置試験、騒音試験、乗用車の高速ブレーキ試験、急ブレーキ試験、ABSの性能試験、排出ガス試験、燃費試験などがあり、さらに衝突試験（乗員保護、燃料漏れ防止）も行われています。
自動車審査試験場とは？
自動車審査試験場は、日本で販売される自動車や二輪車の安全性を確認するための施設です。ここでは、国が定めた厳しい基準に基づいて、様々な試験が行われています。 新しい技術が搭載された車や、これから発売される新型車が、私達の生活道路を安全に走行できるかどうかを審査する、いわば車社会の安全を守る最後の砦と言えるでしょう。
安全性能試験: 乗員の命を守る
日々進化を続ける自動車技術。その中で、最も重要視されているもののひとつが「安全性」です。私たちが安心して運転できるのも、厳しい安全基準をクリアした車が製造・販売されているからです。そして、その安全性を支えているのが、自動車審査試験場で行われる様々な安全性能試験です。
ここでは、衝突安全試験など、乗員の安全を守るための様々な試験が行されています。 ダミー人形を乗せた車が衝突実験に挑む様子は、テレビなどでもお馴染みでしょう。衝突時の衝撃吸収やエアバッグの性能など、あらゆる角度から安全性を評価することで、より安全な車の開発を後押ししています。
環境性能試験: 環境負荷の低減
自動車の進化に伴い、安全性と並んで環境性能の重要性が高まっています。地球温暖化や大気汚染といった環境問題への意識の高まりを受け、自動車メーカーは環境負荷の低い車の開発にしのぎを削っています。 自動車審査試験場では、厳しい排出ガス規制や燃費基準をクリアするために、様々な環境性能試験が行われています。
たとえば、シャーシダイナモメータと呼ばれる装置を用いて、実際に車を走らせた場合と同じような負荷をかけながら、排出ガスの成分や量を精密に測定します。 これにより、走行中のあらゆる状況下における排出ガスの状態を把握し、環境基準への適合性を確認します。 また、燃費測定試験では、 JC08モードやWLTCモードといった国際基準に基づいた走行パターンで車を走らせ、燃料消費量を計測します。 これらの試験データは、カタログ燃費として公表され、消費者が環境性能を比較する際の重要な指標となります。
走行試験路: 実走行を想定した評価
自動車審査試験場には、実際の道路を模した様々な走行試験路が用意されています。ここでは、開発された自動車が、一般道や高速道路など、多様な道路環境において、安全かつ確実に走行できるかどうかを評価します。急カーブや悪路を再現したコースでは、自動車の安定性やサスペンション性能を、雨天時を想定した散水路では、ブレーキ性能やタイヤのグリップ力を確認します。これらの試験を通して、自動車の安全性能を徹底的に評価し、市場に出る前に問題点を洗い出すことで、私たちが安心して運転できる車社会の実現に貢献しています。
未来のモビリティ社会への貢献
自動車審査試験場は、単に自動車の性能を評価する場所ではなく、未来のモビリティ社会を支える重要な役割を担っています。自動運転技術や次世代モビリティサービスなど、日々進化する自動車技術に対応するため、試験場では常に最新の設備や評価方法が導入されています。例えば、自動運転システムの安全性評価のための大規模な模擬都市空間や、コネクテッドカーの通信環境を再現する設備などが挙げられます。これらの施設により、より安全で快適なモビリティ社会の実現に向けて、技術開発と評価が日々進められているのです。