クルマの快適性に関わる「振動固有モード」とは?

クルマの快適性に関わる「振動固有モード」とは?

車を知りたい

先生、「振動固有モード」ってなんですか?自動車の振動のことについて調べていたら出てきたんですけど、難しくてよくわかりません。

自動車研究家

なるほど。「振動固有モード」は少し難しいよね。簡単に言うと、モノが揺れるときに、それぞれ決まった揺れ方があるんだ。その揺れ方のことを「振動固有モード」って言うんだよ。例えば、ギターの弦を弾くと、弦は決まった形で振動して、音が鳴るよね?あれも一種の「振動固有モード」なんだ。

車を知りたい

ギターの弦みたいな感じですか!なんとなくわかった気がします。自動車だと、この「振動固有モード」はどう関係するんですか?

自動車研究家

いい質問だね!自動車にはエンジンやモーターなど、振動するものがたくさんあるよね。その振動が車体に伝わると、乗り心地が悪くなってしまうんだ。そこで、「振動固有モード」を理解して、振動が伝わりにくい場所に取り付けたり、振動を吸収する部品を取り付けたりすることで、快適な乗り心地を実現しているんだよ。

振動固有モードとは。

自動車用語でいう「振動固有モード」とは、物体がそれぞれの固有振動数で振動する際の、振動の伝わり方のパターンを指します。これは、振動の振幅が大きくなる「腹」と小さくなる「節」が、物体特有の位置に現れることで決まります。例えば、自由度がn個の振動系であれば、n個の固有モードが存在します。構造体において、振動を伝えにくくするには、振動源を「節」の位置に、伝えやすくするには「腹」の位置に配置することが重要です。そのため、振動源となるエンジンや駆動系、排気系などを車体に搭載する際には、それぞれの固有モードにおける「節」と「腹」の位置を考慮し、振動が伝わりにくい支持位置が設定されています。

振動固有モード:車の振動の個性を知る

振動固有モード:車の振動の個性を知る

例えば、全く同じ形の鐘を二つ作って叩いたとしても、全く同じ音が出るとは限りません。これは、鐘の素材や厚さ、形状の微妙な違いにより、音の響き方が変わるためです。

車にもこれと同じことが言えます。車体には、固有の振動の仕方があり、これを「振動固有モード」と呼びます。車種、年式、走行距離、そして設計など、様々な要因によって、この振動固有モードは異なります。

振動固有モードは、車の乗り心地や快適性に大きく影響します。例えば、特定の周波数の振動が車体に共振しやすく、それが不快な揺れや騒音に繋がってしまうことがあります。逆に、振動をうまく吸収・分散するように設計された車は、快適な乗り心地を実現できます。

固有振動数とモード形:振動パターンを読み解く

固有振動数とモード形:振動パターンを読み解く

あらゆる物体は、固有の振動数と、それに対応した振動パターン(モード形)を持っています。これはクルマにも当てはまります。 固有振動数とは、物体が最も振動しやすい周波数のことを指し、モード形はその際に現れる振動の形状を意味します。例えば、ギターの弦を弾くと、特定の音程で振動しますが、これは弦の固有振動数とモード形によって決まります。

クルマの場合、車体が複雑な形状をしているため、様々な固有振動数とモード形が存在します。 車体の各部分がどのように振動するかは、そのモード形によって異なり、乗り心地や走行安定性に大きく影響を与えます。例えば、ある固有振動数で車体が大きく揺れるようなモード形であれば、その周波数に近い振動がエンジンや路面から伝わると、不快な振動を感じたり、操縦安定性が悪化する可能性があります。

節と腹:振動の伝わりやすさのカギ

節と腹:振動の伝わりやすさのカギ

物体が振動する際には、その形状や材質によって、振動しやすい場所と振動しにくい場所が現れます。この振動の波が大きくなる部分を「腹」、逆に振動が小さくなる部分を「節」と呼びます。
例えば、ギターの弦を弾くと、弦は激しく振動しますが、弦の両端は固定されているため、ほとんど動きません。この固定された両端が「節」にあたり、その間で大きく振動する部分が「腹」となります。
クルマにおいても、車体や部品にはそれぞれ固有の振動モードが存在し、走行中に様々な振動が発生します。この時、振動の「腹」と「節」の位置関係によって、車内に伝わる振動の大きさや質が変わってくるのです。

車体設計における振動固有モードの活用

車体設計における振動固有モードの活用

クルマの設計において、乗り心地や静粛性を向上させるためには、車体の振動をいかに制御するかが重要な課題となります。そのために活用されるのが「振動固有モード」という考え方です。 あらゆる物体は、固有の振動数で揺れる性質を持っており、車体も例外ではありません。この車体全体が持つ固有の振動パターンを「振動固有モード」と呼びます。

車体設計では、コンピューターシミュレーションなどを用いて、様々な振動を与えた時の車体の変形や振動の伝わり方を解析します。そして、特定の周波数で共振を起こし、不快な振動が発生する箇所を特定します。

その上で、車体の構造や材質、サスペンション、シートなどの設計を工夫することで、共振周波数を変える、あるいは振動のエネルギーを吸収し、車内への振動の伝達を抑制します。こうして、快適な乗り心地を実現しているのです。

快適な乗り心地を追求する技術

快適な乗り心地を追求する技術

クルマの乗り心地は、ただ単にサスペンションの性能だけで決まるのではありません。車体そのものが持つ「振動固有モード」という特性が、快適性に大きく影響を与えているのです。振動固有モードとは、物体それぞれが持つ固有の振動の傾向のこと。クルマで例えると、ある特定の周波数の振動を受けると、車体全体が大きく揺れたり、特定の部位だけが共振したりします。この振動固有モードを解析し、制御することで、不快な振動を抑え、快適な乗り心地を実現することが可能となります。例えば、路面からの振動を吸収しやすいようにサスペンションを調整したり、車体の構造を工夫することで、振動を抑え、快適性を向上させています。最近では、素材の進化も目覚ましく、軽量かつ高剛性な素材を車体に採用することで、振動を抑えつつ燃費向上も実現しています。このように、快適な乗り心地を追求するために、様々な技術開発が進められています。

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