2ストロークエンジンの心臓部!掃気方式を解説

2ストロークエンジンの心臓部!掃気方式を解説

車を知りたい

先生、「掃気方式」ってなんですか?2ストロークエンジンの説明で出てきたんですけど、よく分からなくて…

自動車研究家

良い質問だね!「掃気方式」は、2ストロークエンジンで新しい空気(新気)をシリンダーに送り込み、同時に排気ガスを外に出すための仕組みのことだよ。2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンと違ってピストンの動きだけで吸気・排気を同時に行うから、効率良く掃気することが重要なんだ。

車を知りたい

なるほど…それで、横断掃気とかループ掃気とか、色々種類があるんですね?

自動車研究家

そう!それぞれ新気の送り込み方が違うんだ。例えば、横断掃気はシリンダーを横切るように、ループ掃気は渦を巻くように新気を送るんだよ。ユニフロー掃気は、シリンダーの一方向に新気を流す方法だね。詳しくは教科書の図と説明をよく見てみよう!

掃気方式とは。

自動車用語の「掃気方式」とは、2ストロークエンジンにおいて、いかに効率的にシリンダー内の燃焼ガスを新鮮な混合気で入れ替えるかという方法のことです。 少ない混合気で高い効率を目指すには、シリンダー内に適切な空気の流れを作り出す必要があります。代表的な掃気方式には、以下の3つがあります。(1)横断掃気:シリンダーの一方の吸気口から入った新鮮な混合気が、シリンダー内を横切って反対側の排気口へと流れる方式です。(2)ループ掃気:新鮮な混合気がピストン上部を通過した後、シリンダー壁に沿って上昇し、ループ状に流れを作りながら排気口へ燃焼ガスを押し出す方式です。(3)ユニフロー掃気:新鮮な混合気を一方向に流し、シリンダー内を掃気する方式です。

2ストロークエンジンと掃気の重要性

2ストロークエンジンと掃気の重要性

2ストロークエンジンは、吸気・圧縮・爆発・排気の4工程をクランクシャフトの2回転で完結させる、シンプルかつパワフルな構造が魅力です。その力強い動力は、ピストンが上下する際に同時に吸気と排気を行うという、独特のメカニズムによって生み出されます。

この吸気と排気を同時に行うために重要な役割を担うのが「掃気」と呼ばれるプロセスです。掃気は、燃焼済みの排気ガスをシリンダー外へ押し出し、同時に新しい混合気をシリンダー内へと送り込む、2ストロークエンジンの心臓部と言える重要な役割を担っています。

掃気の効率は、エンジンの出力特性や燃費性能、そして排気ガスのクリーンさに直結するため、様々なタイプの掃気方式が開発されてきました。それぞれの方式には異なる特徴やメリット・デメリットが存在します。

次の章では、代表的な掃気方式である「ループ掃気」と「クロスフロー掃気」について、詳しく解説していきます。

掃気とは?その役割と目的

掃気とは?その役割と目的

– 掃気とは?その役割と目的

2ストロークエンジンは、そのシンプルな構造とパワフルな出力で、様々な乗り物に搭載されてきました。このエンジンのパワーを生み出す上で、「掃気」は非常に重要な役割を担っています。

掃気とは、燃焼を終えた排気ガスをシリンダーから排出すると同時に、新しい混合気をシリンダー内に導入するプロセスを指します。2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンとは異なり、吸気・圧縮・爆発・排気の4つの行程をクランクシャフトの2回転で行います。そのため、吸気と排気を同時に行う必要があり、掃気が非常に重要になってくるのです。

掃気の目的は、シリンダー内を新鮮な混合気で満たし、効率的な燃焼を促すことにあります。 しかし、実際には排気ガスを完全に排出することは難しく、新しい混合気と混ざってしまうことがあります。いかに効率的に排気ガスを排出できるかが、2ストロークエンジンの性能を大きく左右する要素の一つと言えるでしょう。

掃気方式の種類と特徴

掃気方式の種類と特徴

2ストロークエンジンは、そのシンプルな構造ゆえに、シリンダー内への新鮮な混合気の送り込みと、排気ガスの排出を同時に行う「掃気」という工程が非常に重要です。この掃気方法の違いによって、エンジンの性能や特性は大きく変化します。

ここでは代表的な掃気方式をいくつかご紹介します。

1. 横断掃気:シンプルな構造とメカニズム

1. 横断掃気:シンプルな構造とメカニズム

2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンとは異なる独自のメカニズムで混合気を燃焼室に送り込み、排気ガスを排出しています。そのカギを握るのが「掃気方式」です。今回は、最もベーシックな掃気方式である「横断掃気」について解説していきます。

横断掃気は、シリンダーの片側から混合気を送り込み、反対側から排気ガスを押し出す方式です。その構造は非常にシンプルで、シリンダー壁面に設けられた掃気ポートと排気ポートが、ピストンの上下運動によって開閉を繰り返します。

ピストンが下降すると、掃気ポートが開き、クランクケース内の圧縮された混合気がシリンダー内に流れ込みます。同時に、ピストンは排気ガスを排気ポートへと押し出します。ピストンが上昇すると、両方のポートが閉じ、シリンダー内の混合気が圧縮され、燃焼、そして再びピストンが下降し…というサイクルを繰り返します。

横断掃気は、構造が単純であるため、製造コストが低く、メンテナンスも容易というメリットがあります。しかし、掃気効率が低く、未燃焼の混合気が排気ポートからそのまま排出されてしまうというデメリットも抱えています。そのため、現在ではより高効率な掃気方式が主流となっていますが、横断掃気は2ストロークエンジンの基礎を築いた重要な技術と言えるでしょう。

2. ループ掃気:効率的な掃気を実現する流れ

2. ループ掃気:効率的な掃気を実現する流れ

ループ掃気は、その名の通りシリンダー内を排気がループ状に流れることで、効率的な掃気を実現する方式です。吸気ポートと排気ポートをシリンダーに対して斜めに配置することで、吸入された混合気はシリンダー内壁に沿って渦を描きながら上昇します。この渦状の流れによって、燃焼済みの排気を効果的に押し出しつつ、新しい混合気をシリンダー全体に行き渡らせることが可能となります。ループ掃気は、2ストロークエンジンの出力向上と燃費改善に大きく貢献しており、多くの高性能エンジンで採用されている方式です。

3. ユニフロー掃気:理想的な掃気方式とその仕組み

3. ユニフロー掃気:理想的な掃気方式とその仕組み

– 3. ユニフロー掃気理想的な掃気方式とその仕組み

ユニフロー掃気は、2ストロークエンジンにおいて最も効率的かつクリーンな掃気方式として知られています。その理由は、シリンダー内における混合気の流れが、従来の掃気方式と比べて格段にスムーズになるためです。

ユニフロー掃気では、シリンダーの上部から排気、下部から吸気を行う構造が採用されています。シリンダー下部には吸気ポートが、上部には排気バルブがそれぞれ設けられており、ピストンの上下運動によって掃気が行われます。

ピストンが上昇すると、排気バルブが開き、燃焼済みのガスが上方へと押し出されます。その後、ピストンが下降すると排気バルブが閉じ、同時に下部の吸気ポートが開きます。すると、新鮮な混合気がシリンダー内をスムーズに上昇し、燃焼済みのガスを完全に押し出すのです。

この一連の動作により、混合気と排気ガスが混ざることなく、効率的な掃気が実現されます。結果として、出力向上、燃費向上、排気ガスのクリーン化など、多くのメリットをもたらします。

しかし、ユニフロー掃気は構造が複雑になりがちで、製造コストが高くなるという側面もあります。そのため、高性能が求められるレーシングマシンや大型船舶のエンジンなどで主に採用されています。

各掃気方式のメリット・デメリット

各掃気方式のメリット・デメリット

– 各掃気方式のメリット・デメリット

2ストロークエンジンには、その構造上、掃気方式がエンジンの性能に大きく影響します。ここでは、代表的な掃気方式である「ループ掃気」と「クロス掃気」のメリット・デメリットを比較してみましょう。

-# ループ掃気
シンプルな構造が最大のメリットで、製造コストを抑えやすいという利点があります。一方で、掃気の効率が低く、未燃焼ガスが排気と一緒に排出されやすいというデメリットもあります。このため、燃費が悪く、排ガスも汚染しやすい傾向があります。

-# クロス掃気
ループ掃気に比べて掃気効率が高く、未燃焼ガスの排出を抑えられるため、燃費が良く、排ガスもクリーンになります。しかし、構造が複雑になるため、製造コストが高くなるというデメリットがあります。

このように、それぞれの掃気方式にはメリットとデメリットが存在します。どの方式を採用するかは、求められる性能やコストなどを考慮して決定されます。

掃気方式の進化が2ストロークエンジンの未来を拓く

掃気方式の進化が2ストロークエンジンの未来を拓く

2ストロークエンジンは、そのシンプルな構造ゆえにパワフルかつ軽量という利点を持つ一方、排ガス規制の強化により、一時はその姿を消しつつありました。しかし、近年では環境性能を向上させた新型2ストロークエンジンが登場し、再び注目を集めています。
その鍵を握るのが、2ストロークエンジンの心臓部とも言える「掃気方式」の進化です。
本稿では、2ストロークエンジンの特徴である掃気方式に焦点を当て、その仕組みや歴史、そして最新の技術について詳しく解説していきます。

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