車の心臓部:排気行程の仕組み

車の心臓部:排気行程の仕組み

車を知りたい

先生、「排気行程」って、ピストンが上下して燃焼ガスを外に出すって流れはなんとなくわかったんですけど、なんでバルブが下死点の前で開いて、上死点の後で閉じるんですか?

自動車研究家

いい質問ですね! 燃焼ガスは、勢いよくシリンダーから出ていこうとする性質があります。もし、下死点ちょうどで排気バルブを開けると、勢いよく出てきた排気ガスがバルブにぶつかってしまい、抵抗になってしまいます。そこで、スムーズに排気ガスを出すために、下死点の少し前に排気バルブを開いておくのです。

車を知りたい

なるほど! 燃焼ガスの勢いを考えてのことなんですね。じゃあ、上死点の後で閉じるのはなんでですか?

自動車研究家

よく気づきましたね。 上死点の少し後まで排気バルブを開けておくことで、シリンダー内の燃焼ガスをより多く外に出すことができるんです。イメージとしては、ゴミを集めて、最後にちりとりをサッと引くように、シリンダー内の燃焼ガスを最後までしっかり排気する役割があるんですよ。

排気行程とは。

「排気行程」とは、自動車のエンジンにおける動作の一つです。4ストロークエンジンでは、ピストンが上昇し、排気バルブが開くことで、燃焼後のガスがシリンダーの外へ押し出されます。効率を上げるため、排気バルブはピストンが下死点に到達する少し前に開き始め、上死点を過ぎた後に閉じます。一方、2ストロークエンジンでは、ピストンが下死点付近にある短い時間に、新しい混合気が燃焼ガスを押し出すと同時にシリンダー内に入り込みます。これを掃気作用と呼びます。

エンジンの心臓:4ストロークサイクル

エンジンの心臓:4ストロークサイクル

車はどのようにして動いているのでしょうか?その答えは、エンジン内部で行われる巧妙な一連の動作にあります。この一連の動作は「4ストロークサイクル」と呼ばれ、吸入、圧縮、爆発、排気の4つの行程から成り立っています。今回は、その中でも最終段階である「排気行程」に焦点を当て、エンジンの心臓部である4ストロークサイクルにおける重要な役割を詳しく解説していきます。

排気行程:燃焼ガスの排出

排気行程:燃焼ガスの排出

エンジンの中で燃料が爆発的に燃焼した後、残された燃焼ガスは排気行程によってエンジン外部へと排出されます。 ピストンが下がりながら、燃焼室内の圧力が低下し、排気バルブが開きます。 この時、圧力差によって燃焼ガスは排気管へと押し出されていくのです。 この一連の動作によって、エンジン内部は次のサイクルの準備が整います。

バルブタイミングの妙:効率的な排出

バルブタイミングの妙:効率的な排出

エンジン内部で爆発的に燃焼した混合気は、ピストンを押し下げ大きな力を生み出します。この力こそが車を動かす動力源ですが、燃焼後のガスは速やかに排出しなければなりません。 排気行程では、ピストンが上昇する際に排気バルブが開き、燃焼ガスが外に押し出されます。この時、重要な役割を果たすのがバルブタイミングです。最適なタイミングでバルブを開閉することで、排気ガスをスムーズに排出するだけでなく、次のサイクルへの準備も効率的に行われます。

2ストロークエンジンとの違い

2ストロークエンジンとの違い

自動車のエンジンにおいて、排気行程は吸気・圧縮・燃焼と並ぶ、4つの行程の1つです。この行程では、燃焼を終えたガスをエンジン外部へ排出しますが、その具体的な仕組みはエンジン形式によって異なります。

本稿では、一般的な4ストロークエンジンと、構造がシンプルな2ストロークエンジンの排気行程の違いに焦点を当てて解説します。2ストロークエンジンは、クランクシャフトの回転1回あたりで4つの行程全てを完結させるという特徴があります。

具体的には、ピストンの上昇と下降を巧みに利用し、排気ポートと吸気ポートを交互に開閉します。ピストンが上昇し、燃焼を終えたガスを排気ポートから押し出すのとほぼ同時に、吸気ポートから新しい混合気がシリンダー内へと導かれます。

一方、4ストロークエンジンは、クランクシャフト2回転で4つの行程を完了します。排気行程では、ピストンが下死点から上死点へと移動する際に排気バルブが開き、燃焼ガスが押し出されます。

このように、2ストロークエンジンと4ストロークエンジンでは、排気行程の仕組みが大きく異なり、それに伴いエンジンの構造や出力特性、燃費、排ガスなどが異なってきます。2ストロークエンジンは構造がシンプルで軽量というメリットがある一方、燃費や排ガス性能で劣る面があります。

一方で4ストロークエンジンは、燃費や環境性能に優れ、現在主流となっているエンジン形式です。

排気行程が車の性能に与える影響

排気行程が車の性能に与える影響

排気行程は、エンジンの性能を左右する重要なプロセスです。 効率的な排気行程は、エンジンの出力、燃費、そして環境性能に大きな影響を与えます

排気行程がスムーズに行われない場合、排気ガスがエンジン内に滞留し、新たな混合気の吸入を阻害します。これは、エンジンの出力を低下させ、燃費を悪化させる原因となります。 逆に、排気効率が向上すると、より多くの新鮮な混合気をエンジンに送り込むことができ、出力と燃費の両方が向上します。

さらに、排気行程は環境性能にも大きく関わっています。 排気ガスには、有害な物質が含まれており、排気行程を最適化することで、これらの物質の排出量を削減することができます。 近年では、環境規制の強化に伴い、排気ガスの浄化技術が進化しており、排気行程における触媒の役割が非常に重要になっています。

タイトルとURLをコピーしました