車の静寂の立役者 エアサイレンサーの仕組み
車を知りたい
先生、エアサイレンサーの説明で、『ヘルムホルツの共鳴器を用いる場合には、吸気ダクトの途中に枝管を取り付けて首部を形成し、その先に空洞を形成する。』とありますが、具体的にイメージが湧きません。図で説明してもらえますか？
自動車研究家
なるほど、言葉だけでは分かりづらいね。図で説明すると、こんな感じだよ。（吸気ダクト、枝管、首部、空洞を分かりやすく図示して説明する）
車を知りたい
ああ、吸気ダクトから枝分かれして、そこに空洞があるんですね。それで、この空洞が特定の周波数の音を消してくれるんですか？
自動車研究家
その通り！この空洞の大きさを調整することで、消したい周波数の音をうまく打ち消すように設計されているんだ。ヘルムホルツの共鳴器は、楽器などにも応用されているんですよ。
エアサイレンサーとは。
「エアサイレンサー」とは、自動車のエンジンが空気を吸い込む際に発生する騒音を抑えるための装置です。音を小さくする仕組みとしては、ヘルムホルツ共鳴器や拡張室などがよく用いられます。ヘルムホルツ共鳴器は、1821年から1894年までドイツに実在したヘルムホルツという人物によって考案されました。これは、吸気ダクトの途中に枝管を設けて首部を作り、その先に空洞を設けることで、特定の周波数の音を低減します。この周波数は、首部の断面積や長さ、空洞部の容積によって決まります。なお、エアクリーナーにも消音効果があります。
エンジン音が生まれるメカニズム
車は、エンジン内部で燃料を爆発させることで動力を得ています。この爆発は、想像以上に激しいもので、高温・高圧のガスを発生させます。このガスがピストンを押し、車が進むためのエネルギーに変換されるのです。しかし、同時にこの爆発的な膨張が大きな音を生み出す原因となります。これが、エンジン音の発生源なのです。
エアサイレンサーとは？
現代の車は、かつてないほど静かになりました。快適なドライブ体験を支えている要素は様々ですが、その中でも重要な役割を担っているのが「エアサイレンサー」です。では、エアサイレンサーとは一体どのようなものなのでしょうか？
ヘルムホルツの共鳴器による消音
自動車の快適性を語る上で、静粛性は欠かせない要素です。エンジンや排気音など、様々な音が発生する自動車において、静かな車内空間を実現するために、エアサイレンサーは重要な役割を担っています。
エアサイレンサーは、その名の通り空気の流れを利用して音を低減する装置ですが、様々な消音メカニズムを組み合わせることで、広範囲の周波数ノイズに対応しています。
その中でも、「ヘルムホルツの共鳴器」は、特定の周波数の音を効果的に消音する仕組みとして知られています。
ヘルムホルツの共鳴器は、特定の周波数の音波に対して共鳴を起こすように設計された空洞です。
サイレンサー内部を通過する排気ガスから発生する音波のうち、共鳴周波数と一致する音波が入射すると、空洞内の空気が激しく振動します。
この振動エネルギーは、熱エネルギーに変換されるため、結果として音波のエネルギーが減衰し、音が小さくなるのです。
ヘルムホルツの共鳴器は、特定の周波数の音を狙って消音できるという利点があり、自動車の排気音の中でも特に耳障りな周波数を効果的に低減することができます。
しかし、対応できる周波数帯域が限られるという側面もあり、他の消音メカニズムと組み合わせることで、より効果的なエアサイレンサーが実現します。
拡張室による消音
エアサイレンサーは、空気の流れをコントロールすることで排気音を低減させる装置です。その中でも代表的な仕組みが「拡張室による消音」です。
拡張室とは、排気ガスが流れ込む広がりのある空間のこと。排気ガスがここに流れ込むと、急激な膨張が起こります。この時、音のエネルギーが熱エネルギーに変換されるため、音の強さが減衰し、静かな排気音を実現できるのです。
エアクリーナーの意外な役割
車のエンジンルーム内は、実はさまざまな音が発生している場所です。その中でも、吸気音は大きな割合を占めています。そこで活躍するのがエアクリーナーです。エアクリーナーは、エンジンに吸い込む空気中のゴミや塵を取り除くフィルターとしての役割が広く知られていますが、実は吸気音を低減するエアサイレンサーとしての役割も担っているのです。