進化する過給機！プレッシャーウェーブスーパーチャージャーとは？
車を知りたい
先生、「プレッシャーウェーブスーパーチャージャー」って、普通のターボチャージャーとは違うんですか？
自動車研究家
いい質問だね！確かにどちらもエンジンのパワーを上げるための仕組みだけど、プレッシャーウェーブスーパーチャージャーはターボチャージャーのようにタービンを使わずに、排気の圧力波を直接利用して過給する点が大きく異なるんだ。
車を知りたい
排気の圧力波を直接ですか？難しそうですが、何かメリットはあるんですか？
自動車研究家
そう、タービンがない分、駆動ロスが少なくて、エンジンの反応がより速やかになるんだ。特に低回転から力強いディーゼルエンジンに向いていると言われていて、過去にはマツダのカペラに搭載されていたこともあるんだよ。
プレッシャーウェーブスーパーチャージャーとは。
「プレッシャーウェーブスーパーチャージャー」とは、車のエンジン性能を高める過給機の一種です。排気ガスから発生する圧力波のエネルギーを巧みに利用して、エンジンに送り込む空気を直接加圧するのが特徴です。この方式は、従来のスーパーチャージャーと比べてエンジンのパワーを無駄に消費することが少なく、アクセル操作に対する反応の良さも優れています。「圧力波式過給機」や「コンプレックス過給機」とも呼ばれています。 具体的な仕組みとしては、ハニカム構造の円筒形ローターがクランクシャフトの回転によって駆動します。ローターの一方から排気ガスが入ると、内部のセルに吸入された新鮮な空気を圧縮して反対側から押し出します。その後、排気ガスは出口から排出されますが、その際に発生する負圧を利用して再び反対側から新鮮な空気を吸入し、次の排気ガスによって加圧して送り出すというサイクルを繰り返すことで、エンジンに多くの空気を送り込みます。 特にディーゼルエンジンとの相性が良く、過去にはマツダのカペラに搭載されたRF型ディーゼルエンジンにも採用された実績があります。
プレッシャーウェーブスーパーチャージャーの仕組み
プレッシャーウェーブスーパーチャージャーは、従来のスーパーチャージャーとは異なるアプローチでエンジンのパワーアップを実現する革新的な技術です。排気ガスの圧力波を巧みに利用することで、ターボラグを大幅に減少させ、エンジンのレスポンスを向上させることが可能です。
その仕組みは、排気マニホールドから排出される排気ガスを複数の通路に分割し、その圧力波をタービンブレードに正確にぶつけることでタービンを回転させるというものです。この時、通路の長さを調整することで、圧力波が互いに干渉し合い、より強力なパワーを生み出すように設計されています。
従来のターボチャージャーでは、排気ガスがタービンを回転させるまでにタイムラグが発生していましたが、プレッシャーウェーブスーパーチャージャーではこのタイムラグを最小限に抑えることが可能です。その結果、アクセル操作に対する反応が素早く、よりダイレクトな加速感を味わうことができます。
排気の力を利用した革新的な過給方式
自動車のエンジンにおいて、出力向上には欠かせない過給機。その中でも、近年注目を集めているのが「プレッシャーウェーブスーパーチャージャー」です。従来のスーパーチャージャーとは異なり、ターボチャージャーのように排ガスのエネルギーを利用するのが最大の特徴と言えるでしょう。
一般的なスーパーチャージャーはエンジンの回転力を用いて動力を得ますが、プレッシャーウェーブスーパーチャージャーは排気マニホールドから発生する排気圧力の波（プレッシャーウェーブ）を利用して過給器のコンプレッサーを回転させます。これにより、エンジンの低回転域から高回転域まで、幅広い領域で安定した過給を実現することが可能となります。
さらに、ターボラグの発生を抑え、アクセル操作に対するレスポンス向上も期待できます。これは、排気圧力をダイレクトに利用することで、ターボチャージャーのように回転数が上がるまで待つ必要がないためです。
このように、プレッシャーウェーブスーパーチャージャーは従来の過給機の弱点を克服し、エンジンの出力向上と環境性能の両立を目指す、まさに次世代の過給システムと言えるでしょう。
従来のスーパーチャージャーとの違い
従来のスーパーチャージャーは、エンジンの回転力を利用して強制的に空気を送り込み、エンジンのパワーアップを実現してきました。しかし、この方式ではどうしても、エンジンの回転数と過給圧が比例してしまい、低回転域でのパワー不足や、高回転域での急激なパワー変化といった課題がありました。プレッシャーウェーブスーパーチャージャーは、これらの課題を解決するために開発された、全く新しいタイプの過給機です。
メリット：高効率と優れた応答性
プレッシャーウェーブスーパーチャージャー最大の特徴は、その名の通り排気ガスの圧力波を積極的に利用することです。従来のスーパーチャージャーはエンジン回転に依存して過給圧を生み出していましたが、プレッシャーウェーブスーパーチャージャーは排気行程で発生する圧力波を過給側に直接伝え、タービンを回転させます。これにより、エンジン回転数が低い状態からでも力強い加速を実現し、ターボラグの解消にも大きく貢献します。
ディーゼルエンジンへの採用例と今後の展望
ディーゼルエンジンにおいても、プレッシャーウェーブスーパーチャージャーは注目を集めています。特に、大型トラックやバスなど、高いトルクを必要とする車両において、その効果を発揮します。プレッシャーウェーブスーパーチャージャーは、低回転域から高い過給圧を得られるため、ディーゼルエンジン特有のターボラグを大幅に低減することができます。これにより、発進時や加速時のスムーズな加速感を実現し、ドライバーのストレス軽減にも繋がります。
さらに、プレッシャーウェーブスーパーチャージャーは、排ガス浄化にも貢献します。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて、排ガス中のPM（粒子状物質）の排出量が多いという課題があります。しかし、プレッシャーウェーブスーパーチャージャーを採用することで、燃焼効率を向上させ、PMの発生量を抑制することができます。
今後、環境規制の強化に伴い、ディーゼルエンジンにおいても、さらなる燃費向上と排ガス低減が求められます。プレッシャーウェーブスーパーチャージャーは、これらの要求に応えるための有効な技術の一つとして、更なる普及と進化が期待されています。