燃費＆パワーアップ！ガス流動のメカニズム
車を知りたい
先生、「ガス流動」ってなんですか？自動車のエンジンの中で何か関係あるって聞いたんですけど。
自動車研究家
良い質問だね！「ガス流動」は、エンジンの中のシリンダーで、空気と燃料が混ざったガスがどのように動くかということだよ。イメージとしては、お風呂のお湯をかき混ぜるのに似ているかな。ガス流動によって、燃焼効率が大きく変わるんだ。
車を知りたい
お風呂のお湯をかき混ぜる…ですか？でも、なんでガスを動かす必要があるんですか？
自動車研究家
ガスをよくかき混ぜると、空気と燃料がまんべんなく混ざるから、効率よく燃焼するんだ。逆に、かき混ぜ方が足りないと、燃え残りが発生して燃費が悪くなったり、排気が汚くなったりするんだよ。
ガス流動とは。
自動車用語の「ガス流動」とは、エンジンのシリンダー内で発生する混合気の動きのことを指します。具体的には、スワール、タンブルフロー、スキッシュ、タービュレンスという4つの流れがあります。スワールはシリンダー内を円周方向に回転する流れ、タンブルフローは上下方向に回転する流れ、スキッシュはピストンが上昇する際にシリンダーヘッドとの間で押し出される流れを指します。そして、これらの流れによって発生する小さな渦がタービュレンスです。ガス流動を最適化することで、燃焼速度を高め、燃費向上や出力アップを実現できます。ただし、過剰なガス流動は、冷却損失の増加や燃焼悪化につながる可能性があります。
エンジン内部の渦巻き！ガス流動とは？
自動車の心臓部であるエンジン。その内部では、ガソリンと空気の混合気が爆発することでピストンを動かし、車を走らせる力を生み出しています。この混合気を効率よく燃焼させるために重要な役割を担うのが「ガス流動」です。
ガス流動とは、エンジン内部のシリンダー内におけるガス（混合気や排気ガス）の流れのこと。空気とガソリンをムラなく混ぜ合わせ、燃焼効率を向上させることで、燃費の向上や排出ガスの低減に貢献します。
しかし、ガス流動は目に見えないため、その重要性を理解することは容易ではありません。そこで今回は、エンジン内部で発生するガス流動のメカニズムや、燃費、パワーとの関係について詳しく解説していきます。
スワール：燃焼効率を高める水平旋回流
自動車のエンジン内部では、ガソリンと酸素がいかに効率よく混合し、燃焼するかが、燃費やパワーに大きく影響します。その鍵を握るのが「スワール」と呼ばれる現象です。
スワールとは、シリンダー内部に吸入された混合気が、水平方向に渦を巻くように流れる現象を指します。この渦巻き状のガス流動は、まるで洗濯機の中で水が回転するのと同じ原理で生まれます。吸気ポートと呼ばれる空気の入り口の形状や、ピストンの動きによって、空気の流れに回転力が加わることで、スワールが発生するのです。
では、なぜスワールが燃焼効率の向上に繋がるのでしょうか？それは、スワールによって混合気がより均一に、そして広範囲に拡散されるからです。従来のエンジンでは、火花が飛んだ際に、周辺の混合気しか燃焼できず、ムラが生じていました。しかし、スワールによって混合気がしっかりと攪拌されることで、火花が飛んだ瞬間に、より多くの混合気が燃焼に参加できるようになります。
結果として、燃焼速度が向上し、燃費の向上、パワーアップ、そして排気ガスのクリーン化に貢献するのです。スワールは、エンジンの性能を飛躍的に向上させる可能性を秘めた、まさに「目に見えない匠の技」と言えるでしょう。
タンブルフロー：混合気を攪拌する縦回転流
自動車のエンジン内部では、いかに効率よく燃料を燃焼させるかが燃費やパワーに大きく影響します。その鍵を握るのが「タンブルフロー」です。これは、シリンダー内部に吸い込まれた混合気（燃料と空気の混合体）を、縦方向に回転させることで生まれる流れのこと。まるで洗濯機の中で水が回転するように、混合気を攪拌します。
このタンブルフローには、いくつかの重要な役割があります。まず、燃料と空気を均一に混ぜ合わせることで、燃焼効率を向上させる効果があります。均一に混合された状態であれば、燃料はムラなく燃えるため、無駄なくエネルギーを生み出すことができます。次に、燃焼速度の向上にも貢献します。これは、タンブルフローによって混合気がシリンダー内部に行き渡りやすくなるためです。結果として、力強いパワーを生み出すことに繋がります。
このように、目に見えないガス流動の一つであるタンブルフローは、エンジンの性能を左右する重要な要素と言えるでしょう。
スキッシュ：ピストンで生み出す強力な流れ
エンジンの燃焼効率を高めるには、いかに効率よく燃料と空気を混ぜるかがカギとなります。その鍵を握るのが「スキッシュ」と呼ばれる現象です。
ピストンが上死点に近づく際、燃焼室内のガスはピストン頂面とシリンダーヘッドの狭い隙間へと押し込められます。この時、高速で噴出するガスの流れが発生し、これがスキッシュです。スキッシュは、まるで竜巻のように燃料と空気を強力にかき混ぜ、均一な混合気を作り出す役割を担っています。
均一な混合気は、燃焼速度と効率を向上させ、燃費の向上と排気ガスのクリーン化に貢献します。このため、現代のエンジン設計において、スキッシュは非常に重要な要素として注目されています。
タービュレンス：小さな渦がもたらす大効果
エンジン内部で起きる爆発、それはまさに燃焼という名の化学反応です。しかし、この反応を効率良く起こすためには、空気と燃料をよく混ぜることが重要になります。そこで登場するのが「タービュレンス」という現象です。
タービュレンスとは、流体の中で発生する小さな渦のこと。エンジン内部では、この小さな渦が無数に発生することで、一見、無秩序に思えるかもしれません。しかし、空気と燃料は、この渦によってかき混ぜられ、均一な混合気体となるのです。
まるで、コーヒーにミルクを注ぐ際にスプーンでかき混ぜるように、タービュレンスは燃焼の効率を劇的に向上させます。結果として、燃費の向上とパワーアップを実現する、まさに小さな巨人と言えるでしょう。