EVの心臓部!交流誘導モーターの仕組み

EVの心臓部!交流誘導モーターの仕組み

車を知りたい

先生、交流誘導モーターって何か教えてください。説明を読んでも難しくてよくわからないんです。

自動車研究家

なるほど。簡単に言うと、磁石の力で回転するモーターなんだ。普通のモーターと違うのは、ブラシや整流子を使わずに、電磁誘導で回転力を得ている点だね。

車を知りたい

電磁誘導で回転する…? どうやってですか?

自動車研究家

モーターの中に固定したコイルと回転するコイルがあって、固定コイルに電気を流すと磁場が発生する。その磁場が回転コイルに電気を発生させて、回転させるんだ。EVによく使われているのは、構造が簡単で丈夫だからだよ。

交流誘導モーターとは。

自動車用語の「交流誘導モーター」とは、ステーター(固定子)とローター(回転子)の両方に独立した巻線を備えた交流モーターのことです。ステーターの巻線に交流電流を流すと、電磁誘導によってローターの巻線に電流が発生し、その磁力の相互作用で回転します。

具体的には、環状に配置されたステーターに三相交流を流すことで、位相差によって回転磁界が発生します。ローターはこの回転磁界を追いかけるように、誘導電流による磁力によって回転します。

ローターの構造には、巻線を巻いた「巻線形」と、円盤状の導体を籠のように組み合わせた「籠形」があります。交流誘導モーターは構造がシンプルで軽量かつ頑丈なため、EV(電気自動車)で広く採用されています。

交流誘導モーターの基本原理

交流誘導モーターの基本原理

交流誘導モーターは、電磁誘導の法則を利用して回転力を生み出す装置です。
電磁誘導とは、磁界の変化によって導体に電流が発生する現象のこと。
モーター内部のコイルに交流電流を流すと、回転磁界と呼ばれる磁場の回転が発生します。
この回転磁界が、回転子と呼ばれる金属製の円筒に作用することで、回転子が回転する仕組みです。
重要なのは、回転子は直接電気を供給されるわけではなく、回転磁界との相互作用によって回転します。
このため、ブラシや整流子といった部品が不要となり、構造がシンプルになるというメリットがあります。

ステーターとローターの役割

ステーターとローターの役割

電気自動車(EV)の駆動を担う交流誘導モーター。その心臓部には、「ステーター」「ローター」と呼ばれる2つの主要なパーツが存在します。

まず、ステーターはモーターの外側に位置する固定部分です。ここに配置されたコイルに電流を流すことで回転磁界が発生し、内部のローターを回転させる役割を担います。

一方、ローターはモーター内部で回転する部分です。ステーターによって生み出された回転磁界の影響を受け、誘導電流を発生させながら回転運動エネルギーを生み出します。

このように、ステーターとローターはそれぞれ重要な役割を担い、互いに影響し合うことでEVの力強い走りを支えているのです。

電磁誘導が回転を生み出す仕組み

電磁誘導が回転を生み出す仕組み

交流誘導モーターは、電磁誘導という現象を利用して回転力を生み出しています。電磁誘導とは、磁場の変化によって導体に電流が発生する現象のことです。

まず、モーター内部には固定子と呼ばれる部分にコイルが配置されており、ここに交流電流を流すことで回転磁場が発生します。回転磁場は、時間とともに方向が変化する磁場です。

次に、モーターの中心部には回転子と呼ばれる金属製の円筒があります。回転子は固定子の回転磁場の中心に位置しています。回転磁場の変化は、回転子に電磁誘導を引き起こし、回転子に電流を発生させます。

発生した電流は、フレミングの左手の法則に従って回転子に力を及ぼします。フレミングの左手の法則とは、電流が流れる導体と磁場が存在する場合に、導体に力が働く方向を示す法則です。この力によって、回転子は回転磁場の回転方向に回転し始めます。

このように、交流誘導モーターは電磁誘導とフレミングの左手の法則を巧みに利用することで、電気エネルギーを回転エネルギーに変換しているのです。

巻線形と籠形の違いとは?

巻線形と籠形の違いとは?

電気自動車(EV)のモーターとして広く採用されている交流誘導モーター。その中でも、回転子側の構造の違いによって「巻線形」と「籠形」の2種類に分けられます。
巻線形は、回転子にもコイルを巻いた構造をしています。ブラシと整流子を通じて外部から電流を流し、磁界を発生させることで回転力を得ます。一方、籠形は、回転子が導体棒とそれを両端で繋ぐエンドリングで構成された、まるで「鳥かご」のような形状をしているのが特徴です。こちらは外部からの電流供給ではなく、固定子の作る回転磁界によって回転子に誘導電流が発生し、回転します。
それぞれにメリット・デメリットがあり、用途によって使い分けられています。巻線形は、始動トルクが大きく、速度制御も容易なため、大型の産業機械などに利用されます。籠形は、構造がシンプルで堅牢、低コストというメリットがあり、EVや家電製品など幅広い分野で活躍しています。

EVへの応用とメリット

EVへの応用とメリット

交流誘導モーターは、そのシンプルさと信頼性の高さから、電気自動車(EV)の駆動モーターとして広く採用されています。 従来のガソリン車と比較して、EVは静粛性、加速性能、エネルギー効率の面で優れており、その心臓部である交流誘導モーターはこれらのメリットに大きく貢献しています。

交流誘導モーターは、ブラシや整流器といった部品を必要としないため、メンテナンスが容易であることも大きなメリットです。さらに、小型軽量であるため、車体の設計自由度を高め、広い車内空間の確保にも役立ちます。これらの利点により、交流誘導モーターはEVの普及を支える重要な技術となっています。

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